トップメッセージ

事業を通じて
環境・社会課題の解決に貢献し、
これからも選ばれ続ける
「総合たてものサービス企業」を
目指します

大成温調株式会社 代表取締役 社長執行役員

水谷 憲一
大成温調株式会社 代表取締役 社長執行役員 水谷 憲一

たてものに"命"を吹き込み、安全・快適で環境にやさしい社会インフラを創造

大成温調株式会社は創業以来、空気調和・給排水衛生・電気設備工事および省エネルギーソリューションを中心に、安全・快適で環境にやさしい社会インフラの創造に取り組んでまいりました。
建物は、様々な設備が備わることで初めて、その価値を発揮します。当社グループが展開する事業は建物に空気・水・電気という、いわば"命"を吹き込み、誰もが過ごしやすく居心地の良い環境をつくり上げることです。
当社が掲げるブランドステートメント「たてものを、いきものに」を体現すべく、グループ一丸となって質の高い設計・施工管理・メンテナンスサービスを追求してまいります。

外部環境と内部の取り組みが奏功し2025年3月期の業績は増収増益を実現

建設業界においては、資材・機材や労務費の高騰、少子高齢化や2024年問題(時間外労働の上限規制)などに起因する人手不足といった課題を突きつけられる状況が続いています。一方で、大都市圏の再開発、倉庫や工場の民間設備投資、インフラの老朽化に伴う改修工事などの建設需要は好調に推移しています。
こうした外部環境のもと、当社グループの2025年3月期の業績は、国内建設需要の活性化に伴う受注増加と、全社的な利益率・生産性向上に向けた取り組みが奏功し、単体・連結ともに増収増益を達成しました。売上高は前期比2.4%増の625億2百万円、営業利益は同3.3%増の31億15百万円、経常利益は同12.9%増の34億83百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同26.7%増の24億87百万円となっています。

国内では前期から引き続き、受注段階での採算管理の厳格化や高付加価値案件への資源配分を進め、大都市圏での再開発案件、商業施設や医療施設などの大型新築物件の受注増に繋がりました。国内連結子会社であるウッドテック株式会社の利益率が予想より増加したことも後押しする材料となりました。
海外では、米国セグメントはハワイを中心に建設需要が旺盛なものの、案件の端境期で減収となりました。中国セグメントは国内景気の低迷など、市場環境悪化が続く中でも大型物件の竣工により減収幅は縮小しました。
今後の見通しについては、国内では大型の新築工事を中心に豊富な手持工事を確保していますが、建築費の高騰や時間外労働の上限規制などに伴う工期の長期化、人員配置の難しさは依然として大きな課題となっています。引き続き、手を緩めることなく収益性と業務プロセスのさらなる改善に取り組んでまいります。
海外においては、中国でも引き続き成長の可能性が見込まれる分野へのシフトを図っており、例えば、自動車産業のEV化による工場建設需要の減少に伴い、日系食品メーカー向け設備事業など新たな市場開拓を進めています。また、中国政府のエネルギー政策強化を背景に、今後の需要拡大が期待される工場設備のエネルギーマネジメントシステムの開発・展開にも注力を図ってまいります。

中期経営計画に掲げる経営指標を2025年3月期に前倒しで達成

当社グループは2021年度に長期経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」を策定し、「専門設備工事会社」から「総合たてものサービス企業」への事業モデルの転換を進めています。「総合たてものサービス企業」とは、設備工事における当社の専門性を活かしながら、時代とともに多様化する社会的ニーズに幅広い付加価値を提供する企業を意味しています。

その前半戦に位置付けられる2025年度までの中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 1st half!(以下、「1st half!」)」は、2025年度で終了。「基盤事業の深耕」「成長への投資」「経営基盤の整備」の3つの基本方針のもと、これまで進めてきた重点施策を、より深掘りすることで、一段レベルの高い成果を達成しています。
「基盤事業の深耕」については、高付加価値セグメントへの資源配分、競争力の強化、生産性の向上を進めてまいりました。例えばサイレントシステム(消音工法)を用いた施工を取り入れることで、土日・夜間作業から昼間作業への転換が可能となり、費用削減や生産性向上、働き方改革にも寄与しています。また、複数のプロジェクトの支援業務を担う工務統括部を増員し、現場の作業負担軽減による労働環境の改善と、外部リソースの活用による生産性向上に繋がっています。さらにベトナムに設立したオフショアエンジニアリング会社も強化し、日本国内の一部の設計・積算業務のアウトソースに加え、3次元の設計を実現するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)への対応も進んでいます。
「成長への投資」としては、引き続きデジタライゼーション・DXへの投資、事業ポートフォリオの拡充への投資、新規成長分野への投資に注力しています。
DXへの投資に関しては、新たなERP(財務基幹システム)と各種業務アプリを連携させ、データの一元管理と迅速な意思決定を可能とするデータ連携システム「LIVZON サイバープラットフォーム」の構築を進めてきました。2025年10月には基盤となるERPが稼働開始となり、施工人員配置や資材調達、営業支援などの各業務アプリケーションとのデータ連携が進んでいます。
プラットフォームの完成により、迅速な経営判断や、現場における論理的な意思決定が可能となり、将来的にはAIなどを連携させた「データ経営」の実現を目指しています。業務アプリケーションの連携プロセスでは、徹底して既存業務フローを見直し、業務効率化やガバナンス強化に繋げていることも副次的な成果と捉えています。

大成温調株式会社 代表取締役 社長執行役員 水谷 憲一

事業ポートフォリオ拡充への投資については、2023年度にグループ会社化した消火設備工事会社・ウッドテックとの統合プロセス(PMI)が順調に進んでいます。この統合により、サービス領域のさらなる拡張が実現しています。
「経営基盤の整備」については、今後の成長を支える環境とリソース確保のため、人財の確保・育成、ガバナンスの強化、資本効率の向上に取り組んでいます。
人財の確保・育成については、より働きやすい環境の実現に向けた施策の一つとして、2026年3月に開業した「OIMACHI TRACKS BUSINESS TOWER(大井町トラックス)」へ本社を移転。また、賃上げによる処遇改善を行っているほか、2025年4月からは、出産や育児などのライフイベントを応援する「LIVZON エールプロジェクト」を開始し、出産祝金の支給額引き上げ等を実施。様々な取り組みにより、「1st half!」に掲げる経営指標(KPI)を、2025年3月期の時点で達成することができました。

サステナビリティの取り組みを統合した重要な経営課題を特定

「1st half!」は2025年度で終了し、後半戦となる「LIVZON DREAM 2030 2nd half!(以下、「2nd half!」)」では、「総合たてものサービス企業」への飛躍が目標となります。
目指す姿と持続的な成長を実現していくうえで、サステナビリティに関する取り組みと経営戦略はそもそも不可分であり、一体となって取り組むことが肝要と考えています。お客さま・従業員へのアンケート、経営会議・社内委員会での議論、取締役会での決議を経て、「重要な経営課題」の策定、対外発表に至りました(2025年4月)。
具体的には、「事業による価値創造」と「価値創造を支える土台」に大別し、合計5つの項目を掲げています。
例えば、「事業による価値創造」に掲げる「設備工事の強みを活かした環境課題解決と顧客価値創造」では、新工法・施工技術の開発に加え、AI/IoT技術などを組み合わせることで、気候変動等の環境課題の解決に取り組むとともに、従来の設備工事の枠を超えたイノベーティブな付加価値の提供を目指します。
一方で、人手不足が加速化する中、テクノロジーの活用を進めながら、人にしか実現できない競争優位を築くことも重要です。「価値創造を支える土台」として「競争力とエンゲージメントが高い組織づくり」についても、喫緊の課題として取り組みを進めてまいります。
変化の激しい時代にあっては、だからこそ従業員一人ひとりの強みを活かしながら、チームとして補完し合い、臨機応変に対応し、高みを目指していきたいと考えています。「2nd half!」の内容については、これら重要な経営課題を踏まえ、具体的な目標・戦略に落とし込み開示してまいります。

株主配当方針の連結純資産配当率(DOE)の目安を3.0%から3.8%に引き上げ

当社は、企業価値向上のための課題解決に注力し、中期経営計画に基づく取り組みを進めています。これまで、DXやM&Aを含めた成長投資、工事原価関連業務の最適化、そして人的資本への投資を積極的に実施してまいりました。また、株式の流動性向上を目指した戦略的な株主還元にも取り組んでおり、株主数の増加や株主層の多様化が進んでいます。
この状況に鑑み、株主還元策のさらなる強化とともに、株主層の多様化も踏まえた株主配当方針および株主優待制度の改定を行いました。株主配当方針は連結純資産配当率(DOE)の目安を3.0%から3.8%に引き上げ、2026年3月期から実施しています。

引き続き、「LIVZON DREAM 2030」の実現に向け、ステークホルダーの皆さまにとって価値ある存在であり続けることを目指して新たな一歩を踏み出してまいります。今後とも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。