LIVZON STORY 06
たてものを「イノベーションを生み出す」いきものに。
佐藤工業の技術センター建設プロジェクト。
創業160周年を記念した一大プロジェクト
土木・建築を中心に新分野での事業開発も行う佐藤工業。2022年、創業160周年にあわせた記念事業の一環として、つくば市に新施設「技術センターSOU」を建設することになりました。イノベーションの創出、豊かな未来の創造、現場に寄り添う技術――様々な想いが詰まったこの建物の、空調衛生設備工事を大成温調が担当しました。
"人"と"技術"を育てる環境づくり
「技術センターSOU」は、構造部材の載荷試験や環境実験などを行う「実験棟」、音響に関わる多彩な実験を行う「音響実験棟」、そしてオフィスや研修室を有す「センター棟」の3棟とテストフィールドから成り立ちます。今回の新築プロジェクトの狙いには、生産性の向上だけでなく、現場業務の一部支援を通じて若手技術者の教育・育成を図るという意図も。未来を担う"人"と"技術"を育てる環境づくりのために、空調衛生設備の面から力になるべく検討が重ねられた結果、地中熱を利用して建物の温度を調整するという、他ではあまり行われないシステムを採用することになりました。
未来をより良くするための1ピース
通常、暑い時は勤務時間に空調機だけを使って室温を下げるものですが、このシステムを用いて夜間のうちに床のコンクリートに埋め込まれたパイプに冷水を循環させ、建物自体を冷やすことで、空調に必要なエネルギーを減らすことができます。また冬季も同様に、温水を通すことで建物を暖めることが可能になります。地中熱を利用するにあたっては、深さ100メートルまで挿入された16系統もの採熱配管を接続する作業が慎重に行われました。地中熱を使った特殊空調以外にも、太陽光パネルや、人の有無や日射の明るさによって照明器具の照度を制御するシステムが取り入れられた「技術センターSOU」。そうした工夫の結果、センター棟では、一次エネルギー消費量を基準値から54%削減。さらに再生可能エネルギーによる24%の創エネを実現し、トータル78%の一次エネルギー消費量を削減しました。一次エネルギーをトータル75%以上削減した建物が認証される「Nearly ZEB」を取得したほか、「建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)」では最高評価となる5つ星を取得し、その省エネ技術が高く評価されました。そして実際の運用では、なんと97.5%のエネルギー削減を達成しています。
技術開発や研究を支えるために、快適な環境を全力でつくり上げる。その環境で生み出された技術が、私たちの生活をより良いものにする。省エネを実現しながらそのピースの一つとなれたことに、私たちは、ひしひしと喜びを感じています。