LIVZON STORY 05
たてものを「学びをひろげる」いきものに。
明治大学和泉キャンパス「和泉ラーニングスクエア」。
新しい時代のキャンパスを目指して
どこにいても学べる令和の時代の"キャンパスの在り方"とはどんなものだろう――。2022年4月にオープンした明治大学の新教育棟「和泉ラーニングスクエア」は、その問いと向き合いながら進められた新設プロジェクトです。完成した建物は、吹き抜けやガラス扉が印象に残る開放的な空間に。その空調衛生設備工事を大成温調が担当しました。
学生が居場所を選び、学びを深める空間
この施設の特徴は、廊下や吹き抜け沿いなどの共有スペースを「学びと交流の場」と位置付けていること。自習やグループ学習のための場所(ラーニングコモンズ)がいたるところに用意され、情報通信を含めた学習環境の整備が行われています。そのなかにはなんと、プレゼンテーションのためのモニターを備えたスペースも。大成温調は、開放的な空間でも学習活動に集中して取り組めるよう、建物の特性に合わせた環境整備に尽力しました。まず、共用部を含めた全館に空調を導入。床下空調を用いた居住域空調とすることで快適性を高めています。また、4階部分に張り出す形で設けられたテラスで日射熱熱負荷を抑制し、植栽への散水・蒸散効果によるクールスポットの創出を実現。柔らかな自然光を取り入れて自然換気にも利用できる高窓も設けました。
プロジェクト全体でこうした工夫を行った結果、従来の建物に比べて52%の省エネルギー化を実現。先進的な建築設計や高効率な設備導入などの省エネルギー化によって、50%以上の省エネルギー化を実現した建築物が認証される「ZEB Ready」を取得し、令和の時代にふさわしい快適な学習環境の提供と、省エネルギーの両方を叶えました。
学生のニーズをとらえ、それを実現する
この建物の中を歩いていると、大教室・小教室・ラーニングコモンズが各フロアに作られていることに気づきます。移動する際に他の学生の学習活動に出会うことで、気づきや刺激を得られるだけでなく、各階の在館人数が平準化され、特定の階だけが混み合うという授業間の移動時の混雑解消につながる嬉しい一面も。現代の学生のニーズをとらえ、新しい教育環境を実現する――。このプロジェクトに関わったすべての人の願いが、一つの形として立体化したのが「和泉ラーニングスクエア」なのです。