LIVZON STORY 03

たてものを「アートの未来を拓く」いきものに。
MORI Building DIGITAL ART MUSEUMの設備工事。

ミュージアムの概念を覆す先進の空間

館内マップ無し、順路も無し。自由に歩いて作品に触れ、飛んだり跳ねたりしながらアートと触れ合える。2018年6月、東京都臨海エリアに最新の体験型施設「MORIBuilding DIGITAL ART MUSEUM・EPSON teamLabborderless」がオープンしました。1万㎡の大空間に、約60のデジタルアート作品が並ぶ本施設のテーマは「ボーダーレス」。作品と作品、作品と鑑賞者の境界は存在せず、最先端のデジタルアート技術が紡ぐ光と音の世界に身体ごと没入していく。そんな、新次元の鑑賞体験を可能にする施設の設備工事を、大成温調が担当しました。

クリエイターの発想を建物という形に

工事にあたり、クリエイターから提示されたコンセプトが「迷路のような構造」。彼らが描くそのイメージを理解し、現実の建物へと変えるのが私たちの役目です。例えば、どのくらいの来場者を想定し、動線を設けるのか?アート空間と有効スペースの取り合いをどうするか?設計段階から何度も現場に足を運び、ゼネコン担当者と協議を重ねました。また施工面では特に工夫を要したのが、機器同士の兼ね合いや収まりです。アートは複数のプロジェクターで演出するため、機器の量も膨大になります。それゆえ、スプリンクラーの位置や吹き出し口の高さ一つとっても、プロジェクターの映写効果を妨げず、かつ機能を十分に発揮できるよう緻密に設定していきました。

アートの未来を支えるという誇り

かつて当社が施工を手がけたアミューズメントパークの跡地を、居抜きで使うかたちで行われた今回のプロジェクト。既存設備との兼ね合いを考慮しながら、世界に類のないミュージアムを誕生させるには、多くの生みの苦しみがありました。しかし今、この地を訪れる人々の笑顔を目にするたび、私たちは思うのです。設備工事の仕事は、人の心を彩るアートの未来さえも確かに支えているのだ、と。