LIVZON STORY 02
たてものを「人とスポーツをつなぐ」いきものに。
YSアリーナ八戸の新築工事プロジェクト。
産声を上げた八戸の新たなシンボル
世界のスケーターが集結し、華麗な競演を繰り広げるー。2019年9月、青森県八戸市に、そんなスケートの国際大会開催を可能にする屋内スケート場「YSアリーナ八戸」が誕生しました。氷都・八戸市では古くからスケートが盛んで、地域の生涯スポーツとして親しまれます。同市の中心に位置する長根公園にはもともと「長根リンク」がありましたが、竣工後約50年が経過し老朽化が進み、新しい屋内リンクが建築されることに。その給排水製氷設備工事を大成温調が担当しました。
妥協が許されない最高の氷づくり
国際大会の舞台として要求されたのが、世界水準の「氷質」「空調環境」「照明環境」の実現。中でも目玉となるのが「氷質」です。求められるのは氷自体に濁りが出なく透明で、できるだけ均一の厚さにすること。製氷コンクリートのかぶり厚さ(鉄筋を覆うコンクリートの厚さ)の誤差による冷却ムラがどの程度発生するか、建設業者と何度も検証を重ねました。その結果、氷の表面は温度が高いと柔らかくなり、スピードスケートに適さないことが明らかに。「ならば-6℃から-9℃を目標にしよう」最高の氷質は、こうしてシビアに形づくられたのです。
天候に左右されない理想の競技環境に
一年を通して快適な場所を目指し、スケート場の内部は屋根からの輻射熱をアルミ膜天井で遮断し、効率的な空調を可能にしたほか、消費電力の少ないLED照明、高品質なリンク製氷ができる冷凍システムなどを導入。維持管理費を低減しながら、天候に左右されない理想の競技環境が実現しました。スケート以外にも各種スポーツやコンサートなど、地域の交流拠点として活用が期待されます。ある時は、一流選手の滑走を間近で観戦する。またある時は、人々が汗を流して交流する。「YSアリーナ八戸」で生まれる人とスポーツの未来に想いを馳せながら、そこに携わった喜びを私たちはいま噛みしめています。