環境
環境マネジメントシステム(EMS)
当社では、国際規格ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を2002年に構築、品質マネジメントシステム(QMS)と統合して運用しています。現在、営業所・サービスステーションを含む全国の事業所においてISO9001/14001の認証を取得し、全社一体となった事業活動における環境負荷低減を推進しています。
体制としては、社長をトップマネジメントとし、本社に統括管理責任者とISO 事務局、各支店にMS 管理責任者・副責任者を配置し、環境マネジメントに則った継続的な改善を行っています。今後は、TCFDの各推奨開示項目に関する情報の収集と分析を行うとともに、開示の充実を図っていきます。
当社は2022年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同しており、気候変動に関連した情報開示の拡充に積極的に努めていきます。
品質・環境方針
- 顧客の要求事項に適切に対応し、信頼と誠実の経営を通じ、顧客の満足を得られる技術と高品質の設備工事を提供する。
- 研究開発から現場施工、保守メンテナンスまでの事業活動において、省エネルギー、省資源に配慮した技術の提案・提供に取り組むとともに、廃棄物の削減及び環境汚染の防止に努める。
- 事業活動における品質・環境に関する法規制及び大成温調が同意する協定等の要求事項を遵守する。
- 品質・環境マネジメントシステムにおける目標を定め、その活動成果の達成、有効性を検証し、継続的な改善を図る。
- 全社員及び大成温調のために働く全ての人に本方針を周知するとともに品質保持並びに環境保全の意識高揚を図る。
産業廃棄物の適正処理と資源循環への取り組み
持続可能な社会の実現に向け、当社では環境法規制に厳正に対処するべく、各拠点に「産廃等業務担当者」および「石綿事前調査システム担当者」を選任し、拠点内における環境関連事項の周知展開やデータ管理を行っています。加えて、年次研修やeラーニングを活用した全社教育を実施し、管理レベルの向上を図っています。
また、産業廃棄物の適正処理とリサイクルの推進に取り組んでいます。事業所および施工現場から排出される産業廃棄物については、全社ルールとして3種類以上の分別を徹底しています。また、電子マニフェストシステムを利用することで、最終処分まで適正に処理されたかを確実に管理しています。
2023年度の産業廃棄物の総排出量は4,534トンでした(※全元請物件対象)。廃棄物削減や回収による有効活用など、環境課題解決に向けて、継続的に取り組んでいます。
自社でのCO2排出量削減への取り組み
これまで本社ビルにおけるエネルギー使用量の集計を実施していましたが、カーボンニュートラルの実現に向けた第一歩として、2023年度より全社のスコープ1、2排出量把握への取り組みを開始しました。国内事業拠点(本社・支店・営業所・サービスステーション)の電気およびガス使用量を集計した結果、これらによるCO2排出量は487t-CO2でした。国内事業拠点の電気・ガス使用による排出以外(各現場およびサプライチェーン等)の排出量については、今後算定方法の検討を進めていきます。その他にも温室効果ガス排出量の低減活動として、本社オフィス照明の100%LED化、首都圏サービス車のEV・HV移行などを進めました。また、オフィス活動におけるペーパーレス化推進により、コピー用紙の使用量は前年度比12%削減しました。引き続き、温室効果ガス排出量削減のための取り組みを進めていきます。
事業を通じた環境負荷低減への取り組み
LCC 算定・省エネ提案
当社では、建物の価値を最大限に高め、長く快適に使用していただきたいという想いから、保守サービスや設備診断サービスによる定期的な建物状況の調査を実施し、LCC(ライフサイクルコスト)算定のお手伝いや中長期改修計画のご提案を実施しています。また、コストと環境負荷のバランスを考慮した効果的な建物運営のための省エネ提案を実施しています。省エネへの取り組みは、ランニングコストの削減のみならず、環境問題への対応にもつながります。お客さまの建物におけるCO2排出量削減に向けた提案活動を積極的に展開し、本業を通じた環境課題の解決を目指しています。
お客さまへのご提案に際し、熱流体シミュレーションによる解析も実施しています。熱流体シミュレーションとは、空気の流れや熱の移動をコンピュータで計算し、3次元的に可視化する技術です。室内形状をコンピュータ上に再現し、さらに空調機の仕様や吹き出し口の温度、風量、室内熱負荷などを入力して計算を行い、計算結果は温度分布図や風速矢印図として3Dビジュアルで表現されます。アニメーション動画を作成して、空気の流れや時間経過による温度変化を見ることも可能です。アリーナやホールなど天井の高い大空間では、吹き出し口の位置を工夫し、人が活動する床付近の空間を効率的に空調することで、使用エネルギーを削減することができます。また、熱流体シミュレーションを用いることで、換気効率やCO2濃度、PMV 等の解析も可能であり、各環境に応じた最適な空調システムを実現しています。
ZEB案件の推進
当社は、低炭素社会の実現に向け、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)案件の施工を推進しています。
2023年には、株式会社 安藤・間とのLCA(ライフサイクルアセスメント)支援システム開発に係る共同研究において、設備工事におけるCO2排出量の算定を実施し、モデル物件となった仙台安藤ハザマビルはNet-ZEB認証、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)-M Oriented認証の取得に加え、エコリーフ環境ラベルとCFP(カーボンフットプリント)環境ラベルの国内初同時取得を果たしました。
地球温暖化対策ビジネス事業者登録
当社は、東京都が認定する「地球温暖化対策ビジネス事業者」に2010年から登録されています。本制度の登録企業は、東京都が行う地球温暖化対策の推進に協力し、地球温暖化対策に係る技術的助言や指導を提供する者として認定された事業者を指します。登録企業はクール・ネット東京を通じて紹介されており、大規模改修から機器の取り付けまで、ニーズに応じた技術的な提案や実施支援を提供します。また、補助金や税金の減税制度のご紹介も実施しており、温暖化対策に取り組む事業者の技術パートナーとして、お客さまの地球温暖化対策支援に貢献しています。